校長として思うこと・伝えたいこと

校長室から

校長だより(4月号)

 4月から着任しました校長の大谷一(おおたにはじめ)です。

どうぞよろしくお願いいたします。

校長だより4月号です。お時間のあるときにご覧いただければと思います。

 

4月号.pdf

御礼

 令和4年度の修了式を無事に終えることができました。

 

 この3年間は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、右往左往する日々でした。

少しずつ日常を取り戻す中で、児童たちの表情も日に日に明るくなっています。もっと

もっと笑える日が、早く訪れることを祈っています。

 

 今年度の最後に、私の好きな言葉を紹介いたします。

 

 悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。

 おしなべて、事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。

 あせらずあわてず、静かに時の来るのを待つ。

 時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。

 だが、何もせずに待つ事は僥倖(ぎょうこう:偶然に得る幸せ)を待つに等しい。

 静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力をたくわえている。

 たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないであろう。

                              〈松下 幸之助〉

 

 苦しい状況の中で、「こんな時だからしようがない。」とあきらめるか、「こんな時

だからこそ、こんなことをやってみよう(考えてみよう)。」と次に備えるかは、自

次第。常に頭は働かせ続け、もてる力を十分に生かせる人間になりたい(なれなくても

なりたいと思う気持ちをもっていたい)と考えます。

 

 保護者の皆様、地域の方々、いつも学校のことを優先してくださり、本当にありがと

うございました。

 心から…心から感謝いたします。

プログラミング教育について②

 小学校におけるプログラミング教育の中核とも言えるのが、「プログラミング的思考」を

育成することです。

 

 「プログラミング的思考」とは、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのよ

うな動の組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせ

たらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくの

か、といったことを論理的に考えていく力」とされています。

 

 

 つまり、コンピュータを動作させるために、以下のような手順で進めていくことができれ

ば、「プログラミング的思考」を働かせていることになります。

 

(1)コンピュータにどのような動きをさせたいのかという自らの意図を明確にする。

               ↓

(2)コンピュータにどのような動きをどのような順序でさせればよいのかを考える。

               ↓

(3)一つ一つの動きを対応する命令(記号)に置き換える。

               ↓

(4)これらの命令(記号)をどのように組み合わせれば自分が考える動作を実現できるか

   を考える。    

               ↓

(5)その命令(記号)の組合せをどのように改善すれば自分が考える動作により近づいて

   いくのかを試行錯誤しながら考える。

 

 我々教員が肝に銘じておかなければいけないこととして、『「プログラミング的思考」

は、プログラミングの取組のみで育まれたり、働いたりするものではない』ということで

す。思考力・判断力・表現力等を育む中に、「プログラミング的思考」の育成につながるプ

ログラミングの体験を計画的に取り入れ、位置づけていくことが重要となります。

  

  参考文献:「小学校プログラミング教育の手引〔第三版〕」(文部科学省)

プログラミング教育について①

 今日、コンピュータは人々の生活の様々な場面で活用されています。家電や自動車をはじめ

身近なものの多くにもコンピュータが内蔵され、人々の生活を便利で豊かなものにしていま

す。誰にとっても、あらゆる活動において、コンピュータなどの情報機器やサービスとそれに

よってもたされる情報とを適切に選択・活用して問題を解決していくことが不可欠な社会が到

来しつつあります。

 

 コンピュータを適切、効果的に活用していくためには、その仕組みを知ることが重要です。

コンピュータは人が命令を与えることによって動作します。端的に言えば、この命令が「プロ

グラム」であり、命令を与えることが「プログラミング」です。プログラミングによって、コ

ンピュータに自分が求める動作をさせることができるとともに、コンピュータの仕組みの一端

をうかがい知ることができるので、コンピュータが「魔法の箱」ではなくなります

 

 さて、小学校においてすでに導入されているプログラミング教育ですが、ねらいは次のとお

りです。

 ①「プログラミング的思考」を育むこと

 ②プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられている

  ことなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身

  近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと

 ③各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものと

  すること

 

 プログラミングに取り組むことを通じて、児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり、

プログラミングの技能を習得したりするといったことは考えられますが、それ自体をねらいと

するものではありません。

 

 プログラミング教育の実施にあたっては、①・②をねらいとすること、各教科等の内容を指

導する中でプログラミング体験を行う場合には、これに加えて③をねらいとすることが必要と

なります。

 

  参考文献:「小学校プログラミング教育の手引〔第三版〕」(文部科学省)

食育について

 食育とは、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な

食生活を実践できる人間を育てることです。

 

 こうした「食育」が今重要とされる背景には、近年、食に関連した様々な課題が浮上してい

ることがあります。

 

 例えば、栄養の偏りや不規則な食事などによる健康不良が増加しています。また、食の安全

や信頼にかかわる問題や、外国からの食料輸入に依存する問題など、食を取り巻く環境が大き

く変化しています。こうした中で、食に関する知識を身に付け、健康的な食生活を実践するこ

とにより、心と身体の健康を維持し、生き生きと暮らすために、食育を通じて、生涯にわたっ

て「食べる力」=「生きる力」を育むことが重要になってきています。

 

 食育によって身に付けたい「食べる力」には、以下のようなものが含まれます。

 〇食事の重要性や楽しさを理解すること

 〇食べ物やつくる人に対する感謝の心をもつこと

 〇心と身体の健康を維持できること

 〇食べ物を自分で選択し、食事づくりができること

 

 これらは、子供のころから家庭や学校、地域など様々な場所で学び、身に付けていくもので

す。さらに、大人には、そうした食の知識や日本の食文化などを「次世代に伝える」という役

割もあります。

 

 学校においては、特に、「食事の重要性や楽しさを理解すること」・「食べ物やつくる人に

対する感謝の心をもつこと」を教育課程全般において、重点的に児童へ指導していきたいと考

えます。

 御家庭においても、同じ視点で児童に語りかけていただけましたら幸いです。 

 

参考文献:「『食べる力』=『生きる力』を育む 食育 実践の環(わ)を広げよう」(政府広報オンライン)

「豊かな心を育むひまわりプラン」について②

 以前、座間市教育委員会が策定した「豊かな心を育むひまわりプラン」を御紹介しました。

「めざす大人像」がしっかりと示されており、強い思いに溢れるプランです。

 座間市の子供たちが、時を経て、正義と奉仕の心に満ちた愛情深い大人になっていくために

今心に誓うことが八つあります。

 

「ざまっこ 八つの誓い」

 1 毎日明るく元気にあいさつをします

 2 家族を大切にします

 3 友だちを大事にします

 4 困っている人に手をさしのべ、優しく接します

 5 人の役に立つことを進んで行います

 6 何事にも積極的にチャレンジし、粘り強く取り組みます

 7 約束や決まりは、いつでもしっかり守ります

 8 自然を大切にし、地球に優しい生活をします

 

 令和元年度までは、全校朝会の折に、児童全員でこの誓いを唱えていました。今後、以前の

ような全校朝会を行えるようになりましたら、もう一度全校児童で唱え、一人一人が心に刻み

つけたいと考えています。

 また、校舎内にも「ざまっこ 八つの誓い」・「こんな大人になってほしい」を掲示し、児

童の意識を高めるような工夫をしています。

 

        

「豊かな心」とは

 「豊かな心」とは、子供たちが目標をもって自発的に行動する「心」、また、仲間ととも

努力する「心」ととらえています。

 心は見えませんが、行動に表れます。子供たちの日々の行動の中には、「豊かな心」の小

さなつぼみが芽生えています。興味をもって学ぼうとする心、歌や絵を愛する心、自然の美

しさや不思議に感動する心、過ちを正そうとする心、困った人を助けようとする心、行いを

反省する心、などです。

 

 以下が一つの例になります。

 ある児童は、体育の時間にどうしても鉄棒で逆上がりができず、休み時間も放課後も手に

まめを作りながら何度も繰り返し練習をしていました。その児童を励ましながら一緒に練習

を見守った友人は、その児童が初めて逆上がりができた時、まるで自分のことのように喜び

ました。

 

 この例では、目標に向かってあきらめずにがんばり続ける児童にも、それを見守る友人に

も「心の豊かさ」を感じます。このように、「こうなりたい」とか「こうなってほしい」と

いう心の動きや高まりが表出されたときに、「豊かな心」が育成されたととらえます。

 

 学校では、一人一人の心を大切にした学級経営を通して豊かな人間関係を育てるととも

に、教育活動全体を通して、健康への意識やたくましい心・体を育てていきます。

「豊かな心を育むひまわりプラン」について①

 座間市では、学校教育における重点主題を「豊かな心の育成」ととらえ、「豊かな心を育

むひまわりプラン」を策定し、平成23年度から実施しています。「豊かな心を育むひまわ

りプラン」は、座間市教育委員会における学校教育の方向性を示すものとして位置づけられ

ています。

 

 それぞれの学校は、市が目指すものを大きな指針とし、「学校教育目標」や「目指す児童

像」を作成しています。

 

 「豊かな心を育むひまわりプラン」には、「めざす大人像」が示されており、「こんな大

人になってほしい」という強い思いがその中に含まれています。以下が「豊かな心を育むひ

まわりプラン」に明記されている「こんな大人になってほしい」です。

 

「こんな大人になってほしい」

 〇自分のよさを大切にし、健康で自立した生活を送る。

 〇正義を尊び、自らを律し、責任ある行動をとる。

 〇目標に向かって学び続け、新たな価値を創造する。

 〇温かな心で人とかかわり合い、奉仕の心で人の役に立つ。

 〇郷土への愛と誇りをもち、国や社会の発展に尽くす。

 

 どれももちろん大切な指針ですが、児童たちには、「自分のよさを大切にし、健康で自立

した生活を送る」ことを基本とし、正義・奉仕の心をもつ、愛情深い大人になってほしいと

願っています。

 

 そのために、小学校段階でできることは何か。感性豊かなこの時期において、「みんなを

大切にする心」と「よく考え、最後までやりぬく態度」を養い、児童たちを「明るく強い

子」に育てていきたいと考えます。

学力向上のための取組

  本校では、学力向上のための取組として、指導方法工夫改善を行っています。指導方法

工夫改善とは、「少人数指導」や「TT(ティームティーチング)」などにより、児童の

つまずきや困り感に対応するためのきめ細かい指導を行うことを言います。

 

1.「少人数指導」

 本校では、主に4年生で行っています。1つの学級を2グループに分けて授業を行いま

す。もともと30人程の学級を2つに分けるのですから、児童は15人程の少人数で授業

を受けることになります。少人数であるため、教室内がいつも以上に落ち着いた雰囲気と

なり、集中力が増す学習環境となります。

 教員は一人一人をよく見ることができるので、児童のつまずきや困り感にすぐ対応する

ことができます。また、児童の立場から考えると、聞きたいことをすぐに聞くことができ

たり、丸つけのために延々と待ったりすることがありません。

 「少人数指導」について尋ねると、児童たちからは、「落ち着いて授業ができる。」と

「先生に分からないことを聞きやすいし、手を挙げた時に当ててもらえる回数が増える

のでうれしい。」といった感想をもらうことができました。

 

2.「TT(ティームティーチング)」

 本校では、主に1・2・3年生で行っています。TTを行う時には、教室に2名の教員

がいます。一人は「T1」として授業を行い、もう一人は「T2」として、困り感のある

児童に寄り添い、個別指導を行います。複数の目で児童を見るので、児童のつまずきや困

り感により早く気づき、より早く対応することができます。困ったままで多くの時間を過

ごす児童がいなくなり、学ぶ意欲の向上につながります。

 

 どちらの指導も効果が期待できる算数で行っています。「少人数指導」も「TT」も、

児童に寄り添うきめ細かい指導として、成果を上げてきました。今後も、学力向上へつな

げられるよう、指導方法の工夫・改善を続けてまいります。